お知らせ
2023.05.02
寒さが和らいだかと思うと春が足早に過ぎ、また暑い夏へ向かっています。気温の変化で服装に迷う季節ですが体調など崩されていないでしょうか?今回糖尿病と癌の関係についてお話しさせていただきます。どちらもかかると大変、恐いといったイメージがありますが、それぞれは無関係な印象でしょうか。しかし糖尿病と癌には関連性があることが近年の研究発表でわかってきています。
糖尿病と診断された方はそうでない方と比べ何らかの癌が発生する確率が高く、その上予後にも影響するというデータがあります。原因として糖尿病によるインスリン抵抗性・高血糖・炎症が考えられます。また2型糖尿病と癌は危険因子に共通点が多いことも原因になります。肥満、運動不足、加齢、不適切な食事 過剰摂取、喫煙、多量飲酒などは共通の危険因子です。そのため糖尿病の方は定期的な癌検診が求められます。
糖尿病と関連が深い癌にわが国では大腸癌、肝臓癌、膵臓癌などあげられます。中でも膵臓ではエコー検査で膵嚢胞といわれる小さな袋や、膵管という管の拡大を調べることで膵癌が隠れている可能性を察知し早期発見 治療の助けになることが期待されます。
膵癌危険因子を早めにチェックし見つけ出す方法で広島県尾道市では「尾道方式」としてステージ0やⅠの未進行の膵癌早期診断、切除率、5年生存率の改善で成果がみられ国内の他施設でも同様の取り組みが行われています。膵癌の早期発見の重要性を再確認させられる取り組みです。
2型糖尿病の悪化防止、予防に努めることは癌の発生リスクを下げることにつながる可能性があります。早期発見が重要ですから少しずつ検診を行い、かかりつけ医の血液検査やエコーなど画像診断も活用してくだされば幸いです。
臨床検査技師 本出