スタッフブログ
2021.03.18
糖尿病連携手帳(発行者:公益社団法人日本糖尿病協会)は、糖尿病の方が眼科や歯科など医療機関にかかる時に、持って行き見せていただくことで、スムーズに連携のとれた診療を受けるための手帳です。血糖コントロールなど検査データを見ることができ、ご自分でも確認して身体の状態を知ることは重要です。今回は糖尿病連携手帳に記入する検査で糖尿病合併症の腎症に関する検査をご一緒に確認しましょう。
尿たんぱくは・・・腎臓の糸球体という血液をろ過して尿を作りだす場所が傷んで壊れることで、必要なたんぱくまでろ過の網の目をくぐって尿中に捨ててしまうことで起こります。糸球体が傷む原因は長い間の高血圧・高血糖などによるダメージです。
尿には初めにアルブミン、進行するにつれたんぱく質が出るようになります。
尿アルブミン指数は・・・糖尿病性早期腎症を発見する検査です。
尿中アルブミン 30㎎/ gCr未満:正常。
30~299㎎/ gCr:微量アルブミン尿。糖尿病性早期腎症を疑います。
尿たんぱく試験紙は、(+)→30 mg/dl、(2+)→100 mg/dl、(3+)→300 mg/dlと対応しており、大まかな尿たんぱくの量や有無が予測できます。
血清クレアチニンは・・・クレアチニンは筋肉で作られる老廃物の1つで、ほとんどが腎臓の糸球体から尿中へ捨てられます、そのため身体に残り血中のクレアチニン増加は腎像のろ過機能の低下を表します。
eGFRは・・・eGFR(推算GFR)は腎臓の老廃物を体から尿中へ捨てる能力がどのくらいあるか表しています。数値が低いほど腎機能が低下しています。
G1 正常または高値 >90
G2 正常または軽度低下 60~89
G3a 軽度~中等度低下 45~59
G3b 中等度~高度低 30~44
G4 高度低下 15~29:尿毒症などの自覚症状。
G5 末期腎不全(ESKD) <15 単位(ml/min/1.73㎡)
eGFRの数値がどの範囲にあるかを見てご自分の腎機能の状態を確認してみましょう。
今回のスタッフブログでは臨床検査技師が糖尿病合併症と関連の深い、腎臓の状態を表す検査結果を説明しました。糖尿病連携手帳を見ていただいて、ご自身やご家族・周りにおられる方の身体の状態を理解する手助けになればうれしいです。 検査技師